約1ヶ月に渡り続いた熱戦、W杯決勝が始まったのは、月曜日の午前4時。出張中のビジネスホテル、早朝からどちらを応援するでもなく、ただ食い入る様にTVを見ていました。こう着状態が続き、解説の元日本代表監督岡田武史氏が言う、決戦に相応しい緊迫感ある好ゲーム。0対0のまま90分が過ぎ、延長戦へ突入しました。「延長が始まる直前に交代したドイツの選手ゲッツェが、機能していない!全然目立たない!疲労が他の選手より少ないんだから、もっと動かなきゃ!」これは、延長前半最後の解説でした。しかし、間もなく始まった延長後半で、この試合に決着を付けたは彼のゴールでした。
美容室でもありがちですが、小さな組織の場合、独立や様々な事情でリーダーが抜けると、次のリーダーが、そのレベルに達していなくても、その立場を任せなければいけない時があります。未成熟だと解っていても、送り出さなければいけない時があります。未熟ですから、期待通りに進まないのが当たり前なのですが、その立場としての行動や結果を望みます。先入観や思い込みによって生まれた過度な期待は、時にその人を責める心に変わり、やがて能力がないとレッテルを張る場合もあります。解って任せた自分を棚に上げ、成長途上の人を責めます。人は、そう見がちです。当然、任された人も千載一遇のチャンスと、必死に頑張るべきですが、W杯頂点を極めたドイツの監督の様に、見守る勇気を持った上で、タイミングを図り、「お前はメッシより上だ!世界に結果を見せてやれ!」と彼を鼓舞し、ピッチに送り出し、良い結果を出させる事が、理想の仕事と思います。
特に仕事の場合は長期戦ですから、しばらく目立った結果も出ない場合が多い訳ですが、期待とプレッシャーのせめぎ合いによって、時にドラマや感動が生まれるのなら「彼は今、自分のポジションを見極め、タイミングを図り、結果を出す努力をしている」と信じ切り、待つこともトップの仕事として必要と感じます。