今、世間で言われている「働き方改革」とか大袈裟な話ではありません。美容室で働く女性は、結婚、出産、子育て、介護と日々変わる運命の中で、暮らしを守り、生きがいを持ち続け、どう仕事を続け、どう休み、復活するかという事が大きな課題です。家族各々が暮らし、一緒に生活していくには、家庭の理解だけでなく、職場の仲間の協力と工夫で時間や休日を捻出しなければ、なり立って行きません。サービス業である美容室は、みんなで考え方を根本から変えて取り組まないと、売上を維持しながらの、それらの実現は容易な事ではありません。

先月、ここで話題にした映画『この世界の片隅に』を先日、ようやく観に行く事ができました。平和の尊さ、戦争の悲惨さを描いている映画なのですが、戦闘シーンや過激な描写はほとんどなく、流れる時間の中で変わる運命、そして変わって行く日常、それでも坦々と生きる普通の人々の心の強さが描かれた物語でした。どんな状況下でも、日常を大事にし、幸せに生きようと工夫する人たち。厳しい環境下でも笑い、どうしようもない中でいたわり合い、それらが本当に尊い事と感じながら一人号泣していました。

美容室は一見、華やかな特別の日の演出家の様に見えますが、本来お客様の日常に寄り添いながら、365日キレイでいて頂く仕事です。お客様の大切な一日一日を前向きに、活き活きと暮らして頂く為に、サポートをする仕事です。そうであるなら、働く美容師、その家族こそ活き活きと生きていて欲しいです。自分とその家族の人生を大切にして欲しいです。何気ない日常を大切にして欲しいです。だから、家族の我慢や諦めで、成り立つ職場にしないため、前向きに仕事ができ、なおかつ生産性が上がる様に、みんなで頑張れる業界にしていかなければいけないとあらためて思いました。