「欲求と欲望は、違います。欠乏から生まれるのが欲求で、まだ知らない物や不必要な事を求めるのが欲望です。」という訳の解らないところから始まった、あるマーケティングセミナーの話です。
「日用品は、消耗すれば必要になり、無くなれば欲しくなるものだから、欲求を満たす、つまり提供すれば売れます。但し、競争によって価格はどんどん安くなります。一方の非日常製品は、未知のもの(不必要なもの)ですから、欲望を呼び起こさなければ売れません。その欲望を呼び起こすには、機能的価値ではなく、意味的価値をどう創るか、つまり理由やストーリーが大切になります。今のオーバーストア、モノ余りの中でのマーケティングでは、それが一番重要になります。」と、講師の専門のファッション業界のブランド店などの裏話を取り交ぜながら進んでいった難しくも、楽しい講義でした。
考えてみますと、美容業界も非日常の消費です。サッパリすればいいだけのカットサロン、染まればいいだけのカラー専門店は、どんどん安くなる競争にしかなりません。もっと素敵になりたい!もっとキレイになりたい!幸せになりたい!という欲望を満たすのが美容室です。だから、「未知の自分、もっと素敵なスタイルを提案してくれそう」「別の自分と出会えそう」「もっと綺麗な髪にしてくれそう!」だから、その店に行く。元気になれそう!幸せになれそう!楽しそう!だから、そのスタイリストの次の提案を聞きたい!そんなサロンに人は行きます、行きたくなります。人を惹きつけるのは、やはり人なんです。
美しくイキイキした人を作り続ける美容の仕事は、やはり素敵ですっ!